高さ5m未満の組立て等は法令上の選任義務なし、高さ5m以上の金属製の骨組みの組立て・解体・変更は技能講習修了者を作業主任者として選任

鉄骨の組立て等作業主任者とは|現場に出るときに要る資格【鉄骨ファブが解説】


■結論:高さ5m以上の鉄骨の組立てには「作業主任者」の選任が必要

高さ5m未満の組立て等は法令上の選任義務なし、高さ5m以上の金属製の骨組みの組立て・解体・変更は技能講習修了者を作業主任者として選任
「鉄骨の組立て等作業主任者」は建方など現場での作業に関わる資格

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者(以下、鉄骨の組立て等作業主任者)は、高さ5m以上の、金属製部材で構成される建築物の骨組みまたは塔を組み立てる・解体する・変更する作業で、事業者が技能講習修了者の中から選任しなければならない作業主任者です。技能講習を修了しただけで自動的に作業主任者になるのではなく、対象作業ごとに事業者の選任を受けます。

この資格が関わるのは、主に建方など現場で行う対象鉄骨の組立て作業です。鉄骨製作工場で行う通常の柱・梁の製作、溶接、仮付けは、建築物の骨組みや塔そのものの組立て・解体・変更ではないため、この作業主任者の選任対象には通常当たりません。

👉 工場の仕事が中心の鍛冶工・溶接工でも、現場(建方支援など)に出る機会があるなら、取っておくと任される仕事の幅が広がる資格です。


■法令上の位置づけ:労働安全衛生法と施行令の定め

労働安全衛生法第14条で選任義務、施行令第6条第15号の2で対象作業を高さ5m以上の金属製の骨組みの組立て等と定義、鉄骨の組立て等作業主任者技能講習の修了者を選任
対象は「高さ5m以上」の鉄骨の骨組み・塔の組立て・解体・変更の作業

この資格の根拠は労働安全衛生法第14条です。政令で定める危険な作業では、都道府県労働局長の免許を受けた者、または技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任しなければならないと定めています。

対象になる作業は労働安全衛生法施行令第6条第15号の2で、「建築物の骨組み又は塔であって、金属製の部材により構成されるもの(その高さが5メートル以上であるものに限る。)の組立て、解体又は変更の作業」とされています。

鉄骨の組立て等作業主任者は免許制度ではなく技能講習です。都道府県労働局長の免許が要る作業(クレーン運転など一部の資格)とは違い、登録教習機関の講習を修了すれば資格を得られます。

同じ「高さ5m以上の金属製の構造物」でも、鉄塔や送電線の鉄骨など対象になる構造物の種類は幅があります。建築鉄骨の建方はこの作業に当たるので、現場で鉄骨を組むときの代表的な資格の一つです。


■技能講習を受けるには:受講資格と学科の内容

受講資格は学歴・実務経験に応じて決まる、学科の内容は作業の方法・工事用設備等・作業者への教育・関係法令
免許ではなく技能講習。登録教習機関(都道府県の労働基準協会等)で受講する

鉄骨の組立て等作業主任者技能講習の受講資格は、原則として対象となる鉄骨の組立て・解体・変更作業に3年以上従事した人、または大学・高専・高校・中等教育学校で土木・建築を専攻して卒業後、同作業に2年以上従事した人などです。対象となる職業訓練の修了者にも別の区分があります。

学科の内容は、作業の方法に関する知識・工事用設備、機械、器具等に関する知識・作業環境等に関する知識・作業者に対する教育等に関する知識・関係法令です。講習を修了すると資格を得られます。

具体的な受講資格の区分や講習時間は、実施する登録教習機関(都道府県の労働基準協会など)ごとの案内で確認するものです。本人の学歴・実務経験によって当てはまる区分が変わります。

玉掛けやクレーン運転の技能講習・特別教育は、建方作業の理解には役立ちますが、この技能講習の受講に必要な鉄骨組立て等の実務経験の代わりにはなりません。受講前に、本人の学歴・訓練歴と対象作業の実務年数を登録教習機関へ確認します。


■作業主任者の仕事:現場で何をするか

作業主任者の職務。作業の方法・順序を決めて直接指揮する、器具や保護帽を点検する、墜落制止用器具と保護帽の使用状況を監視する
高所作業なので、墜落制止用器具(安全帯)と保護帽の扱いを特に見る

作業主任者の職務は、労働安全衛生規則に定められています。①作業の方法・労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること、②器具・工具・要求性能墜落制止用器具・保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと、③要求性能墜落制止用器具・保護帽の使用状況を監視することの3つです。

つまり、自分の手で鉄骨を組み立てるというより、「決める人・指揮する人・安全を見る人」です。選任対象の「高さ5m以上」は構造物の高さを指します。高所作業を伴うため、墜落制止用器具(安全帯)と保護帽がきちんと使われているかを見るのが大きな役割になります。

建方は複数の作業が同時に進みます。部材をクレーンで吊る人、受け取って仮ボルトを締める人、高力ボルトを本締めする人など、役割が分かれた現場で、作業全体の順序を決めて指揮するのが作業主任者です。


■工場の仕事と現場の仕事:この資格が活きる場面

工場の中は鍛冶工・溶接工として部材を製作しこの資格は法令上要らない、現場に出るときは高さ5m以上の鉄骨を組むときに作業主任者の選任が要る
工場の仕事が中心でも、現場に出る機会があるなら取っておきたい資格

鉄骨製作工場の仕事は、柱や梁になる部材を工場の中で製作することが中心です。この段階では、鉄骨の組立て等作業主任者の選任は通常必要ありません。部材の玉掛けやクレーン運転には、つり上げ荷重などの区分に応じて、技能講習の修了、免許または特別教育が必要です。

一方、現場(建方支援など)に出て、高さ5m以上の金属製部材で構成される建築物の骨組みまたは塔を組み立てるときは、技能講習修了者から作業主任者を選任する必要があります。当社(株式会社へむろ鉄工・茨城県小美玉市)の場合、現場に出るのは年に数回程度で、工場での製作がほとんどです。

それでも、玉掛け・クレーン運転・鉄骨の組立て等作業主任者の資格を持っていると、現場に出る機会での任され方が変わります。工場の仕事を続けながら、段階的に資格を増やしていく人もいます。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターを募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、国土交通大臣認定Mグレードの鉄骨製作工場で、溶接工・鍛冶工・現寸CADオペレーターを正社員で募集しています。仕事の場は本社工場で、現場(建方支援など)に出るのは年に数回程度です。

溶接工・鍛冶工は、就業時間 8:00〜17:00(日勤)、月給 176,000円〜330,000円(経験・資格による)、試用期間なし、資格取得支援あり(JIS溶接技能者などの受験料・講習費は会社負担)、年間休日100日、マイカー通勤可・無料駐車場ありです。

仕事内容・募集要項・応募方法は 採用情報(溶接工・鍛冶工・現寸CADオペレーターの求人) にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

資格の根拠・受講資格・職務の内容は労働安全衛生法に基づく一般論で、現場に出る頻度と募集要項の内容は当社の値です。実際の受講資格・講習日程は登録教習機関の案内で確認してください。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第14条/e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第6条第15号の2/e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第517条の4・第517条の5、別表第6/厚生労働省「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習規程」/厚生労働省「免許・技能講習等が必要な業務について」/株式会社へむろ鉄工 採用情報(2026年10月10日確認)


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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