定盤の上で部材を仮に組んで確認する仮組立の図

仮組(仮組立)はいつやる?省略の条件【鉄骨ファブが解説】


■結論:工場で部材を仮に組み、全体の寸法と現場接合部の取合いを確かめる

図の「本製作の前」は補足が必要です。製作した部材を工場で仮に組み、現場での納まりを確認する工程を指します。
図の「本製作の前」は補足が必要です。製作した部材を工場で仮に組み、現場での納まりを確認する工程を指します。

仮組立(仮組)は、製作した部材を工場で一時的に組み合わせ、全体寸法、形状、ボルト孔の通り、現場接合部の納まりを確認する工程です。個々の部材を本溶接前に組む「組立・組立溶接」とは区別します。

仮組立後は、確認記録と必要な処置を整理して解体し、後続の仕上げ・検査・出荷工程へ進みます。実施時期・範囲は製作計画によって決めるため、「必ず本溶接前」とは限りません。


■いつやる?(仮組立が要る場面)

仮組立が必要になる場面のチェックリスト
複雑・初めて・精度が心配な部位で行う

次のような、寸法や納まりの不安が大きい場合に行います。

  • 複雑な形状・立体トラス・特殊な仕口
  • 初めて作る形式や、実績のない継手
  • 現場接合が多く、ボルト孔の通りが心配な部位
  • 曲面・アール・鉄骨階段・庇など、納まりがシビアな部位
  • 高い据付精度が求められる部位(機械基礎まわりなど)
  • 設計図書や監理者が実施を指定した場合

■省略できる条件(監理者の承認が前提)

仮組立を省略できる条件のチェックリスト
仮組立の有無・範囲は設計図書と製作計画で確認。3DモデルやNC加工だけで省略を判断しません。

仮組立の実施は設計図書の指定によります。実施が求められている場合に省略・範囲変更を提案するときは、次の点を示して監理者等と協議し、必要な承認を得て記録します。

  • 単純な形式で、製作実績が十分にある
  • NC加工・自動マーキングで、孔位置の精度が確保されている
  • 3D・BIMで取合いを事前に確認できる
  • 同じ製品を繰り返し作る(標準化されている)
  • 設計図書・仕様書に『仮組立は不要』と示されている、または監理者が省略を承認している

■仮組立の手順

仮組立の手順(並べる→墨出し→仮固定→計測→記録→ばらす)
並べて・測って・記録して・ばらす

仮組立は、おおむね次の流れで進めます。

  • 定盤・架台の上に部材を並べる
  • 基準の墨とレベルを出す
  • 仮ボルトや治具で、計画した位置・支持条件に合わせて安定して固定する
  • 全長・対角・取合い・孔の通りを測る
  • 写真と実測で記録を残す
  • 検査結果と処置を記録して解体し、製作計画に応じた仕上げ・検査・出荷へ進む

■何を確認する?

仮組立で確認する項目(対角・孔の通り・食違いなど)
対角・孔の通り・食違い・納まりを確認する

仮組立では、次のような点を確認します。ゆがみは対角寸法の差で分かります。

  • 全長・全高・対角寸法
  • ボルト孔の通り(位置の実測や適切な確認用ピン等で確認。リーマによる拡孔とは区別)
  • 仕口の隙間・食違い(目違い)
  • 合いマーク(現場で部材が合う印)
  • 現場接合部の納まり

■まとめ:やる・省くの分かれ目

仮組立をやる場合と省略できる場合のまとめ3点
指定範囲を仮組立して確認。省略や範囲変更が必要な場合は根拠を示し、承認を記録します。

仮組立は、製作した部材を合わせて全体の寸法と現場での取合いを確かめる工程です。部材単体の組立溶接とは目的が異なります。実施範囲は設計図書・製作計画で定め、変更する場合は必要な承認を得ます。

省略するときほど、実測の記録と監理者の承認を残しておくと、あとで納まりの問題が起きたときに効いてきます。

鉄骨の製作・検査についてのご相談やお見積もりは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

参考にした基準・資料:日本建築学会 JASS 6 鉄骨工事/公共建築工事標準仕様書(建築工事編)/各社の鉄骨工作基準/日本建設業連合会 鉄骨工事Q&A。仮組立の要否・範囲は、設計図書と監理者の判断による。


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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確認資料:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」第7章。実際の施工は、工事で採用する仕様書の版・特記・承認済みの施工要領を確認してください。(2026年9月28日改訂)