鉄工所は総称。仕事は製缶・機械加工・建築鉄骨(鉄骨ファブ)に分かれる図

鉄工所と鉄骨ファブの違い|製缶・機械加工・建築鉄骨で仕事はどう違うか【鉄骨ファブが解説】


■結論:「鉄工所」は総称。仕事は製缶・機械加工・建築鉄骨で大きく分かれる

鉄工所は総称。仕事は製缶・機械加工・建築鉄骨(鉄骨ファブ)に分かれる図
どれも「鉄を加工する仕事」だが、扱う製品・図面・検査の基準は別物

求人や看板で見る「鉄工所」という言葉は、鉄を扱う会社をまとめて呼ぶ総称です。同じ「鉄工所」でも、実際の仕事内容は会社によって大きく違います。

大きく分けると、製缶(タンク・架台などを板から立体に組む仕事)、機械加工(旋盤・フライス盤で部品を削る仕事)、建築鉄骨(ビルや工場の骨組みを作る仕事)の3つの方向があります。扱う材料・図面の読み方・検査の基準は、それぞれ別物です。

1社の中でこれらを兼業している会社もありますが、求人でイメージする「鉄工所」の仕事と、実際に配属される部署の仕事が違うこともあります。応募の前に、その会社が主にどの分野を扱っているかを確かめておくと、入社後のギャップを減らせます。

👉 求人を見るときは、社名に「鉄工所」とあるかどうかより、募集要項の「何を作っているか」を確認するのが近道です。


■「鉄工所」という言葉の幅の広さ

同じ鍛冶工でも建設現場と鉄骨製作工場では仕事の中身が違うことを示す図
「鍛冶工」という呼び方も、会社によって指す仕事の幅が違う

「鉄工所」は法令上の分類ではなく、鉄・金属を加工する会社が昔から名乗ってきた慣用的な呼び方です。板金加工、機械の修理、農機具の修理、建築金物の製作など、扱う範囲は会社ごとに違います。

同じ理由で、「鍛冶工」という職種名も会社や現場によって指す仕事の幅が違います。建設現場で鉄骨の取付け・建入れ直しを担う人を鍛冶工と呼ぶ場合もあれば、当社のように工場で鉄骨を組み立てる担当を鍛冶工と呼ぶ場合もあります(関連記事「鍛冶工と溶接工の違い」)。

会社の呼び方だけでなく、何を作っているか・どんな図面を読むかで仕事を見るほうが、実際の仕事内容に近づきます。面接や工場見学では、遠慮せずに「実際にどんな製品を作っているか」を見せてもらうのがおすすめです。


■製缶:タンク・架台・プラント配管などをつくる仕事

製缶の仕事。作るものはタンク・ホッパー・架台、仕事の特徴は展開図を読み板を曲げて溶接すること
溶接は隅肉溶接や薄板の溶接が多く、漏れ試験など製缶特有の検査がある

製缶は、板金や鋼板を曲げ・溶接して立体の容器や構造物を作る仕事です。タンク、ホッパー、ダクト、機械の架台、プラント配管の支持鉄骨などが代表的な製品です。

図面は展開図(板を広げた形)を読み、板を曲げる・丸めるといった板金の加工が中心になります。溶接は隅肉溶接や薄板の溶接が多く、水や気体を漏らさない気密性が求められる製品もあります。

建築鉄骨と同じ「鉄を溶接して組む」仕事ですが、扱う板厚や求められる精度、検査の基準(漏れ試験の要否など)は製缶特有のものです。溶接工として身につけた技能そのものは活かせますが、覚え直す図面の種類や検査項目は建築鉄骨とは別に整理し直すことになります。


■機械加工:旋盤・フライス盤で部品を削り出す仕事

機械加工の仕事。作るものは機械部品・治具・金型、仕事の特徴は旋盤・フライス盤で寸法公差を守って削ること
溶接して組み立てるより「削って仕上げる」のが仕事の軸

機械加工は、丸鋼や鋼材の塊を旋盤やフライス盤で削り、寸法どおりの部品に仕上げる仕事です。溶接より、図面の寸法公差を守ることが仕事の中心になります。

作るのは機械部品、治具、金型など。溶接して組み立てる建築鉄骨や製缶とは違い、1つの部品を精密に削り出すのが仕事の軸です。

「鉄工所」の求人にはこの機械加工の会社も含まれます。溶接の経験があっても、機械加工では旋盤・フライス盤の操作を新しく覚えることになります。逆に、機械加工の経験がある方が建築鉄骨に移る場合も、寸法を正確に測る感覚は活かしやすい一方、溶接そのものは新しく習得が必要です。


■建築鉄骨(鉄骨ファブ):ビルや工場の骨組みを作る仕事

建築鉄骨の仕事。作るものは柱・梁・ベースプレート、仕事の特徴は工作図を読み溶接・検査までを担うこと
公共建築工事標準仕様書・JASS 6 など建築の基準に従うのが特徴

建築鉄骨は、ビル・工場・倉庫などの骨組みになる柱・梁を作る仕事です。当社(株式会社へむろ鉄工)はこの分野の会社で、業界では「鉄骨ファブ」または「鉄骨製作工場」と呼ばれます。

工作図(設計図から起こした製作用の図面)を読み、鋼材を切断・孔あけし、溶接で組み立てて検査するまでを1つの工場で行います。工場は国土交通大臣の認定を受け、扱える鋼材の強さ・板厚・溶接姿勢の範囲(グレード)が決まっています(関連記事「鉄骨のグレードとは?」)。

製缶・機械加工と比べると、1つの部材が大きく重いこと、天井走行クレーンでの運搬・玉掛けが仕事に組み込まれていること、公共建築工事標準仕様書やJASS 6など建築の基準に従う点が特徴です。

できあがった部材は最終的に建物の骨組みになるため、寸法や溶接の精度がそのまま建物の安全性に直結します。工程ごとに確認して記録する工場ほど、この責任を仕組みで支えています。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工を募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、国土交通大臣認定Mグレードの建築鉄骨の製作工場で、溶接工・鍛冶工を正社員で募集しています。雇用形態は正社員、就業時間は 8:00〜17:00(日勤)、月給 176,000円〜330,000円(経験・資格による)、試用期間なし、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)、年間休日100日、マイカー通勤可・無料駐車場ありです。

仕事内容・募集要項・応募方法は 採用情報(溶接工・鍛冶工の求人) にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

「鉄工所」の中に製缶・機械加工・建築鉄骨という違う仕事があるという整理は一般論で、当社が担うのは建築鉄骨(Mグレードの鉄骨ファブ)です。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:一般論(製缶・機械加工・鉄工所という呼び方の幅)/鉄骨製作工場の性能評価基準(工場のグレード)/公共建築工事標準仕様書・JASS 6(建築鉄骨の基準)/株式会社へむろ鉄工 採用情報・会社案内 2026年9月改訂版


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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