現場の鍛冶工(建方)と工場の鍛冶工(組立)の比較。屋外・高所・天候に合わせる現場と、屋内・定盤・日勤が中心の工場

現場の鍛冶工から工場の鍛冶工へ|働き方と仕事の違い【鉄骨ファブが解説】


■結論:同じ「鍛冶工」でも、現場と工場では仕事の場所が大きく違う

現場の鍛冶工(建方)と工場の鍛冶工(組立)の比較。屋外・高所・天候に合わせる現場と、屋内・定盤・日勤が中心の工場
名前は同じ「鍛冶工」でも、仕事の場所・内容・働き方は別物

建設業で「鍛冶工」と呼ばれる仕事には、大きく分けて2つあります。現場で鉄骨を建てる「建方」の鍛冶工と、工場で鉄骨部材を組み立てる鍛冶工です。求人票に同じ「鍛冶工」と書いてあっても、仕事の中身は別物なので注意が必要です。

現場の鍛冶工は、クレーンで鉄骨を吊って据え付け、仮ボルトで固定し、建入れを直して本締めする、屋外・高所の仕事です。工場の鍛冶工は、工作図どおりに鋼材を切断・孔あけし、定盤の上で寸法どおりに組む、屋内の仕事です。

どちらも「鉄骨を正確に組む」という目的は同じですが、作業する場所も、相手にする天候も、一緒に働く人(現場は施工管理・他業種の職人、工場は同じ会社の鍛冶工・溶接工)も変わります。

👉 現場の経験がある方が工場の鍛冶工に移るとき、図面を読む力・寸法を測る力・段取りを組む力はそのまま活きます。変わるのは働く場所と、天候・高所に左右されるかどうかです。


■現場の鍛冶工の仕事:建方(鉄骨を建てる)の流れ

現場の鍛冶工(建方)の流れ。建起こし、仮ボルト、建入れ直し、本締め、現場溶接
屋外・高所の作業。墜落制止用器具を使い、天候で順延することもある

建方は、工場でできた柱・梁をクレーンで吊って建起こし、ボルト孔を合わせて仮ボルトで仮固定します。仮ボルトの本数は、公共建築工事標準仕様書や JASS 6 に目安が示されています。

建起こしから本締めまでの一連の作業を、工程表どおりの日程・順番で進めるのが現場の鍛冶工の仕事です。施工計画に定めた節ごとに建て、上の節に移ってまた同じ流れを繰り返します。

  • 建入れ直し:柱の倒れ・梁の反りをワイヤやジャッキで調整する
  • 本締め:高力ボルトの種類と施工要領に従い、一次締め → マーキング → 本締め。トルシア形はピンテール破断など、採用した工法所定の確認方法で締付けを確認する
  • 現場溶接:仕様に指定がある場合のみ、有資格者が担当する

建方は屋外・高所の作業で、墜落制止用器具を使います(労働安全衛生法・同規則)。風・雨・雪などの天候で作業が順延することもあり、工期に合わせて現場を移動しながら進めます。高さ5m以上の金属製の建築物の骨組み・塔の組立て、解体または変更の作業では、事業者が技能講習修了者から鉄骨の組立て等作業主任者を選任する必要があります。

一つの現場が終わると、次の現場へ移動します。建てる建物が変わるたびに、敷地の広さ・クレーンの配置・近隣への配慮まで一から確認し直すのも、現場の仕事の特徴です。


■工場の鍛冶工の仕事:定盤の上で寸法どおりに組む

工場の鍛冶工(組立)の流れ。工作図を読む、ケガキ、切断・孔あけ、定盤で組む、溶接工へ渡す
屋内・日勤の作業。天候に左右されず、毎日ほぼ同じ場所・時間で進む

工場の鍛冶工は、工作図を読むところから始まります。符号・寸法・溶接記号を確認し、鋼材にケガキで基準線や孔の位置を書きます。

同じ部材でも、1棟の中に同じ形がいくつもあることが多く、同じ手順を繰り返しながら精度を上げていくのが工場の組立です。

  • 切断・孔あけ:バンドソー、ガス切断機、ボール盤などの機械を使う
  • 定盤で組む:直角・反りを測定具で確認しながら部材を寸法どおりに固定し、仮付け(組立溶接)する
  • 溶接工へ渡す:本溶接は溶接工の仕事。組立の良し悪しが次工程を左右する

工場内作業が中心で、現場作業に比べて天候の影響を受けにくく、日勤が中心です。天井走行クレーンで部材を移動します。鉄骨の組立て等作業主任者は前記の作業を行う場合の選任制度で、通常の工場内組立に一律必要な資格ではありません。ただし、玉掛け・クレーン運転など担当作業に応じた資格または特別教育が必要です。現場への移動がなく、仕事場は工場に固定されます。

組んだ寸法は測定具で確かめ、記録に残します。工程ごとに確認・記録する工場では、組立の精度がそのまま次の溶接・検査のしやすさにつながります。


■働き方の違い:場所・天候・資格、そして共通して活きる力

働き方の違いの表。場所・天候の影響・勤務時間・主な資格を現場の鍛冶工と工場の鍛冶工で比較
変わるのは「屋外・高所・天候」から「屋内・定盤・日勤」へという働く環境

一番変わるのは働く環境です。現場は屋外・高所で、天候や工期で作業日が変わります。工場は屋内で、天候に左右されず日勤(定時)が中心です。

資格の面では、現場では前記の条件に該当する作業で鉄骨の組立て等作業主任者の選任が必要です。工場では玉掛け・クレーン運転など、社内の部材移動に使う資格が中心になります。玉掛けやクレーン運転の経験はどちらでも活かせますが、必要な免許・技能講習・特別教育はクレーンの種類、つり上げ荷重、担当作業によって異なるため、資格証の適用範囲を確認します。

一方で図面を読む力・寸法を測る力・段取りを組む力は、現場でも工場でも同じように活きます。前職で建方を経験した方は、工場の組立でもその感覚をそのまま使えます。

転職を考えるときは、「鍛冶工」という職種名だけでなく、仕事の場所が現場か工場か、屋外か屋内かを求人票や面接で確かめるとよいでしょう。働き方の前提が変わるからです。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターを募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、建築鉄骨の製作を本社工場で行う会社です。仕事の場は本社工場で、現場(建方支援など)に出るのは年に数回程度です。

溶接工・鍛冶工は正社員、8:00〜17:00(日勤)、月給201,000円〜330,000円(経験・資格による)、日曜ほか年間休日100日、学歴・経験不問、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)。現場の建方経験がある方も歓迎します。

未経験の方は先輩と二人一組で、切断・孔あけの補助から仮付けへと、できることを一つずつ増やしていきます。現場での工作図の読み方や段取りの経験がある方は、入社後すぐに活かせます。

CADオペレーター(鉄骨原寸 REAL4)は正社員、土日休み、月給188,000円〜330,000円(経験・資格による)も募集しています。

募集要項・応募方法は 採用情報 にまとめています。工場見学だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

建方の手順や資格の一般論は公共建築工事標準仕様書・JASS 6・労働安全衛生法に基づくもので、就業条件(勤務時間・給与など)は当社の募集要項の値です。物件ごとの建方の手順は施工計画書・仕様書が優先します。

工場見学や採用のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:公共建築工事標準仕様書(建方・仮ボルト)/JASS 6(鉄骨工事・建方)/労働安全衛生法・同規則(作業主任者・墜落制止用器具)/株式会社へむろ鉄工 採用情報


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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