検査の仕事を覚える順番。外観検査、寸法検査、UT(超音波探傷)の順

検査の仕事を工場で覚える|外観・寸法・UTの順【鉄骨ファブが解説】


■結論:検査の仕事は「外観 → 寸法 → UT」の順に覚える

検査の仕事を覚える順番。外観検査、寸法検査、UT(超音波探傷)の順
製品ができる順番(溶接→部材完成→継手の内部確認)と同じ順で覚えられる

鉄骨製作工場の検査の仕事は、新人が最初から全部を一人で任されるわけではありません。外観検査 → 寸法検査 → UT(超音波探傷検査)の順に、担当できる範囲を広げていくのが一般的です。

この順番は難しさの違いだけではありません。製品ができる順番(溶接のたびに外観を見る → 部材が仕上がったら寸法を測る → 継手の内部をUTで確かめる)に沿っているので、工程の流れと一緒に覚えられます。

👉 外観検査は溶接のたびに繰り返すので回数が多く、新人でも早く数をこなせます。UTは専用の機器と資格が要るため、覚える順番としては最後になります。


■検査担当は製品のどこを見る人か

組立から出荷までの工程と、検査(外観・寸法・UT)の位置づけ
同じ3種類の検査を、社内検査(全数が基本)と第三者検査(抜取が基本)の両方で見る

鉄骨の検査は、溶接工や鍛冶工が行う自主検査(工程内検査)と、検査担当が行う工程ごとの確認を組み合わせて行います。どちらも「外観・寸法・UT」という同じ3種類の検査を見ています。

組立(鍛冶工)が寸法どおりに部材を組み、溶接工が本溶接を入れた後、外観と寸法を確認します。継手の種類によってはUTで内部も確認し、記録に残してから次の工程・出荷に進みます。

社内の検査と、設計者や施主側が行う第三者検査は役割が違います。社内検査は全数、第三者検査は抜き取りで行うのが一般的です。詳しくは関連記事「第三者検査と社内検査の役割分担」「検査記録の残し方」をご覧ください。

検査は測って終わりではありません。誰が・いつ・どの部材を検査したかを記録に残すことで、あとから「この製品は検査済みか」を追えるようにします。記録の残し方も、検査の仕事の一部です。


■最初に覚える外観検査|溶接のたびに自分の目で確認

外観検査で見るポイント。余盛・アンダーカット・ビード・スパッタと使う道具
特別な機器がいらず、溶接のたびに繰り返すので新人が最初に身につける「検査の目」

外観検査は、溶接した部分を目で見て確認する検査です。見るのは、余盛(溶接金属の盛り上がり)の形、アンダーカット(母材が溶けすぎて薄くなった溝)、ビード(溶接の跡)の形、スパッタ(飛び散った溶接金属)の有無などです。

👉 外観検査は特別な機器がいらず、定規や溶接ゲージで脚長やサイズを測りながら、溶接のたびに確認します。新人が最初に身につける「検査の目」です。

当社の検査では、溶接ゲージ・開先ゲージを使って脚長やルート間隔を測ります。見るポイントの詳しい基準は関連記事「外観検査で見るもの」にまとめています。

未経験の方は、先輩と二人一組で、実際の部材を前に「これが合格のビード」「これはやり直し」を見比べながら基準を覚えていきます。


■次に覚える寸法検査|管理許容差と限界許容差

管理許容差と限界許容差の関係図と、測る対象・使う道具
管理許容差の中に収まるよう作業し、限界許容差の外に出ていないかを最終確認する

寸法検査は、部材の長さ・孔の位置・柱の倒れ・梁の反りなどが図面どおりにできているかを測る検査です。使う道具はノギス・鋼製巻尺・直角定規などで、外観検査より測定の精度が求められます。

鉄骨の寸法には2種類の許容差があります。管理許容差は工場が製作の目標にする、より厳しい範囲です。限界許容差は、これを超えると不合格になる限界の範囲です(JASS 6 付則6)。

👉 外観検査より、覚えることが一段増えます。「測る」だけでなく「どの許容差を当てはめるか」を部材ごとに判断する必要があるからです。

柱の倒れや梁の反りは、建方のときに他の部材と合うかどうかに関わります。工場で測って直せるうちに確認しておくのが、寸法検査の役目です。


■最後に覚えるUT(超音波探傷検査)|抜取検査と資格

UT(超音波探傷検査)の仕組み図。探触子から超音波を当て、欠陥からの反射で判定
専用の探傷器と、検査する人の資格・技能が必要

UT(超音波探傷検査)は、溶接部の内部にブローホール(気泡)や融合不良などの欠陥がないかを確認する検査です。探触子から鋼材に超音波を当て、内部の欠陥から返ってくる反射(エコー)の大きさと位置で判定します(JIS Z 3060)。

すべての継手を検査するわけではなく、設計図書や社内規格で決めた割合を抜取検査で確認するのが一般的です。

UTを行うには専用の機器(当社は超音波探傷器 USM35XJE を使用)と、検査する人の資格・技能が必要です。検査を担当する資格の種類は関連記事「建築鉄骨の検査技術者資格」にまとめています。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターを募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、国土交通大臣認定Mグレードの鉄骨製作工場で、溶接工・鍛冶工・現寸CADオペレーター(鉄骨原寸 REAL4)を正社員で募集しています。溶接工・鍛冶工は8:00〜17:00の日勤(日曜ほか年間休日100日、月給201,000円〜330,000円)で、試用期間なし、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)です。現寸CADオペレーターは鉄骨CADで工作図を描いた経験者(REAL4以外の経験でも可)が対象で、月給188,000円〜330,000円です。溶接工・鍛冶工は入社後、組立や本溶接と合わせて、外観・寸法の検査の基本も実物の部材で覚えていきます。

仕事内容・募集要項・応募方法は採用情報にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

検査の順番や管理許容差・限界許容差の考え方は建築鉄骨工場で一般的な進め方・基準で、設備名(超音波探傷器など)・資格取得支援・就業条件は当社の資料にもとづく値です。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

関連記事:
👉 外観検査で見るもの|余盛・アンダーカット・ビード・スパッタ
👉 製品検査とは?寸法・精度の管理許容差と限界許容差
👉 UT(超音波探傷検査)とは?仕組み・抜取検査・合否判定

参考にした基準・資料:JASS 6(建築工事標準仕様書・同解説 鉄骨工事)付則6(管理許容差・限界許容差)/JIS Z 3060(鋼溶接部の超音波探傷試験方法)/公共建築工事標準仕様書/株式会社へむろ鉄工 採用情報・会社案内 2026年9月改訂版(設備・就業条件)


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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