■結論:環境・意匠・寸法・納期・費用で選び分ける

鉄骨のさび止め(防食)には、大きく溶融亜鉛めっきと塗装があります。屋外・長期・手の届かない所はめっき、色や意匠・大型・改修は塗装が向きます。
どちらが正解ということはなく、環境(腐食)・耐用年数・意匠・寸法・納期・費用・変形や割れのリスクで選び分けます。
■溶融亜鉛めっきとは(亜鉛の槽に漬ける)

溶融亜鉛めっきは、約450℃で溶かした亜鉛の槽に鋼材を漬け、表面に亜鉛の皮膜をつける方法です。
亜鉛が鋼より先に溶けて鋼を守る犠牲防食のため、多少の傷がついても、まわりの亜鉛が守ります。屋外・水がかり・手の届かない所に強く、長持ちします。
■塗装とは(さび止め+上塗り)

塗装は、下地処理をしたうえで、さび止め・中塗り・上塗りを重ねる方法です。
色や意匠が自由で、補修・塗替えがしやすく、大きさの制限も少ないのが利点です。耐久は下地処理と膜厚で決まり、定期の塗替えが必要です。
■選び方の観点(比べる)

主な観点を並べて比べると、次のようになります。数量や形状で費用は変わるため、実際は見積りで確認します。
- 耐用・メンテ:めっきは長期に強く手間が少ない/塗装は定期の塗替えが要る
- 意匠(色):めっきは銀色(経年で灰色)/塗装は色・つやが自由
- 寸法:めっきは槽の大きさに制限(長尺は分割・二度漬け)/塗装は制限が少ない
- 納期:めっきは外注の工程が入る/塗装は自社で調整しやすい
- 費用:めっきは重量・前処理で決まる/塗装は面積・仕様で決まる
- 熱・変形:めっきは高温で変形・割れに注意/塗装は熱の影響なし
■めっきの変形・割れに注意

溶融亜鉛めっきは約450℃と高温のため、急に温まって拘束があると、熱で反る・ゆがむ、溶接部などで割れが出ることがあります。
- 板厚の差が大きい/溶接の残留応力が大きい部材は要注意
- 対称に組み、板厚のバランスをとる
- 水抜き穴・空気抜き穴をつける(無いと不めっきや破裂の危険)
- 厚板・複雑形状は、めっき業者と事前に協議する
■まとめ:最初の選び方で、あとの手間が変わる

長期・屋外・手の届かない所は溶融亜鉛めっき、色や意匠・大型・改修は塗装が向きます。めっきは槽の寸法・納期・変形や割れに注意し、迷ったら監理者やめっき業者と相談して決めます。
防食は建物の寿命を左右します。最初の選び方で、あとのメンテナンスの手間が変わります。
鉄骨の製作・防食についてのご相談やお見積もりは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
参考にした基準・資料:JIS H 8641 溶融亜鉛めっき/日本建築学会 JASS 6 鉄骨工事・JASS 18 塗装工事/日本溶融亜鉛鍍金協会の技術資料/各社の仕様・設計図書。仕様・膜厚・等級は設計図書による。
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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