溶接面・手袋・前掛けの3点セット。溶接面はアーク光から目と顔を守る、手袋は熱・スパッタ・感電から手を守る、前掛け・作業服は火花が飛び込む隙間をふさぐ

溶接面・手袋・前掛け|溶接工が体を守る道具の選び方【鉄骨ファブが解説】


■結論:溶接面・手袋・前掛けは溶接用保護具の代表的な3点

溶接用保護具の代表例。溶接面はアーク光から目と顔を守り、乾いた溶接用手袋は熱・スパッタから手を守り、前掛け・作業服は火花が入り込む隙間をふさぐ
呼吸用保護具・保護帽・安全靴なども作業条件に合わせて併用する

溶接工が身につける保護具の中心は、溶接面(遮光保護具)・溶接用の手袋・前掛け(または溶接用の上着)の3つです。アーク光・スパッタ(飛び散る火花)・熱から、目・顔・手・体をそれぞれ守る役割が分かれています。

溶接面はアーク光から目と肌を守る道具、乾いた溶接用手袋は熱とスパッタから手を守り、感電リスクの低減につながる道具、前掛けは火花が飛び込む服の隙間をふさぐ道具です。ただし、この3点だけで全てではありません。溶接ヒュームに有効な呼吸用保護具、保護帽、安全靴、必要に応じて保護眼鏡・腕カバー・足カバーなどを併用します。

👉 労働安全衛生規則では、事業者が作業に適した保護具を備え、常時有効かつ清潔に保持し、労働者は使用を命じられた保護具を正しく使用することが定められています。使用前に傷みや汚れを点検し、異常があれば管理者へ申し出ることも大切です。


■溶接面(遮光保護具):アーク光から目と顔を守る

溶接面(遮光保護具)の表。遮光ガラス、自動遮光面、面の素材、守るものの一覧
アーク光には紫外線・赤外線が含まれる

半自動溶接のアーク光には、可視光だけでなく紫外線・赤外線が含まれます。防護なしで見ると、目の角膜を傷める電気性眼炎や、肌の火傷の原因になります。

溶接面はアークの光を一定の濃さまで遮る遮光ガラス(フィルタ)を使います。遮光保護具の性能はJIS T 8141:2026で定められており、溶接の方法や条件に応じて遮光度を選びます。

近年は、アークが出た瞬間だけ自動で暗くなる自動遮光面が広く使われています。仮付けと本溶接を交互に行う鍛冶工・溶接工の二人作業では、面を上げ下げする手間が減り、姿勢を保ちやすくなります。

グラインダーで仕上げをするときは、溶接面とは別の保護メガネを使います。アーク光とは違う危険(削りかすや火花の飛散)から目を守るためで、場面ごとに使い分けます。


■手袋(溶接用保護手袋):熱・スパッタから手を守る

溶接用保護手袋の素材と選び方、使い方の注意
溶接機を握る手の感覚と、守る性能の両方が要る道具

溶接用の手袋は、綿軍手ではなく革製(牛革・豚革など)が基本です。革は熱に強く、スパッタが当たっても穴が開きにくいためです。

半自動溶接では作業性も必要ですが、両手とも作業に適した乾いた溶接用保護手袋を使用し、手首まで覆います。濡れた手袋や破れた手袋は、火傷だけでなく感電の危険も高めるため使用せず、交換します。

手袋は消耗品です。スパッタで穴が開いたり硬くなったりしたら、早めに交換します。古い手袋を使い続けると、火傷や感電のリスクが上がります。

保管するときは、濡れたまま放置せず乾かしてから次の作業に使います。予備の手袋を数組用意しておき、濡れた・汚れた手袋をすぐ交換できるようにしている工場もあります。


■前掛け・作業服:火花が飛び込む隙間をふさぐ

前掛け・上着の役割と、作業服で避けること(化学繊維を避ける・袖口と裾を閉じる)
安全靴・保護メガネも姿勢に応じて併用する

前掛け(溶接用エプロン)や溶接用の上着も、革製または難燃性の生地を使います。ポケットのない、または蓋のあるデザインが多いのは、スパッタが入り込んで火傷の原因にならないようにするためです。

作業服は化学繊維(ポリエステルなど)を避け、綿や難燃性の生地を選びます。化学繊維はスパッタで溶けて肌に貼りつくおそれがあるためです。袖口・裾は閉じて着用し、火花が入り込む隙間を作りません。

安全靴と保護眼鏡も着用します。さらに、姿勢や火花の飛散方向に応じて、腕カバーや足カバーなどを併用します。

横向・立向など見上げる姿勢での溶接は、火花が下に落ちやすい下向きの姿勢よりも、服の隙間に入り込みやすくなります。姿勢に応じて前掛けの範囲や腕カバーを見直すことも大切です。


■事業者が保護具を備え、作業者が正しく使う(労働安全衛生規則)

労働安全衛生規則の保護具に関する規定。保護具の数、性能保持・清潔保持、日常の点検、交換の判断の表
日々の点検が欠かせない

労働安全衛生規則では、有害な光線にさらされる業務などを行う事業場に対して、同時に働く人数分の保護具を備えることを求めています。鉄骨製作工場の保護具も、この考え方にもとづいて会社が用意します。

備えた保護具は、性能を保ち、清潔に保管することも求められています。破れた手袋や遮光ガラスが傷んだ面をそのまま使い続けないよう、日々の点検が欠かせません。

当社の採用情報では、作業服・溶接面・手袋は会社支給、安全靴は各自で用意するとしています。使用する保護具の適合性や交換基準は、作業内容と法令上の要件に沿って管理し、作業者は使用前に異常がないか確認します。

未経験で入った方には、入社時の安全衛生教育と作業指導の中で、保護具の付け方・点検の仕方を教えます。「どこまで傷んだら交換か」を自己判断せず、先輩や管理者に確認しながら覚えていきます。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターを募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、国土交通大臣認定Mグレードの鉄骨製作工場で、溶接工・鍛冶工・現寸CADオペレーター(鉄骨原寸 REAL4)を正社員で募集しています。溶接工・鍛冶工は8:00〜17:00の日勤(日曜ほか年間休日100日、月給201,000円〜330,000円)で、試用期間なし、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)です。現寸CADオペレーターは鉄骨CADで工作図を描いた経験者(REAL4以外の経験でも可)が対象で、月給188,000円〜330,000円です。最新条件は採用情報で確認してください。

仕事内容・募集要項・応募方法は採用情報にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

この記事の保護具は代表例です。実際には、作業内容とリスクアセスメント、溶接ヒュームの濃度測定結果などに応じて、JIS T 8141:2026に適合する遮光保護具や必要な防護性能を満たす呼吸用保護具などを選定します。就業条件は当社の最新の募集要項によります。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(第593条・第596条・第597条)/厚生労働省「職場のあんぜんサイト:アーク溶接」/日本規格協会「JIS T 8141:2026 遮光保護具」/株式会社へむろ鉄工 採用情報(2026年10月6日確認)


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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