角形鋼管柱を輪切りにしてダイアフラムを挟む図

柱の製作手順|角形鋼管・ダイアフラム・仕口【鉄骨ファブが解説】


■結論:切って・ダイアフラムを挟んで・溶接する

角形鋼管柱を輪切りにしてダイアフラムを挟む図
通しダイアフラム形式の例。柱を分割し、ダイアフラムを挟んで溶接します。

ここでは角形鋼管柱の通しダイアフラム形式を例に説明します。柱を梁フランジの位置に合わせて分割し、ダイアフラムを挟んで柱と溶接します。内ダイアフラム・外ダイアフラムなどでは構成や手順が異なります。

このダイアフラムと柱の溶接が、柱づくりの一番の山です。完成すると、梁をつなぐ仕口(しぐち)ができます。


■ダイアフラムの種類(通し・内・外)

通し・内・外ダイアフラムの違い
通し・内・外の3形式。通しが最も一般的

ダイアフラムには、入れ方で3つの形式があります。

  • 通しダイアフラム:柱を輪切りにして挟む。最も一般的
  • 内ダイアフラム:柱の中に入れる。外がすっきりする
  • 外ダイアフラム:柱の外に張り出す

■製作手順(通しダイアフラム形式)

切断→開先→組立→溶接→検査→塗装の製作手順
切断から溶接・検査・出荷までの手順

柱の製作は、次の順に進みます。

  • ① 切断:柱・ダイアフラムを寸法に切る
  • ② 開先加工:溶接のための開先を取る
  • ③ 組立(仮付け):ダイアフラムを挟んで仮固定
  • ④ 溶接:指定の完全溶込み溶接を施工。ロボットを使う場合も、トーチ数や部材の回転方法に合わせて順序を管理
  • ⑤ 検査:UT で中を、寸法も確かめる/⑥ 塗装・出荷

■仕口とブラケット(梁との取り合い)

仕口とブラケット(梁の一部)の取り合い
仕口=梁との取り合い。ブラケットを工場で溶接

梁がつく所が仕口です。工場で、ダイアフラムに梁の一部(ブラケット)を溶接しておく形が多く、現場は継手だけで速く済みます。

ダイアフラムの板厚は、梁フランジより厚くします(板厚差の食違いを収めるため)。仕口の溶接は完全溶込み+UT で確かめます。


■品質の要点

柱製作の品質の要点
完全溶込み・歪み管理・仕口精度・UTが要点

柱の製作では、次の点が品質を左右します。

  • ダイアフラムと柱は完全溶込み溶接(フルペネ)。裏当て金・開先を正しく
  • 溶接順序・拘束・入熱を管理して歪みを抑える。四面同時溶接を前提にせず、設備に合う手順で柱の曲がり・ねじれを管理
  • 仕口の位置・角度・レベルを正確に(梁がつく所なので特に)
  • 完全溶込みは UT で内部を確認、外観・寸法も検査
  • ダイアフラムは梁フランジより厚く。板厚差の食違いに注意

■まとめ:柱づくりの山はダイアフラム溶接

柱の製作手順のまとめ3点
ダイアフラム溶接・手順・仕口精度の3つ

通しダイアフラム形式の角形鋼管柱では、分割した柱とダイアフラムを組み合わせ、指定された溶接を施工します。切断→開先→組立→溶接→検査→塗装・出荷の各工程で確認を行います。ほかの柱形式には、それぞれに対応した製作手順があります。

鉄骨の製作についてのご相談やお見積もりは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

参考にした基準:日本建築学会 JASS 6 鉄骨工事/鉄骨工事技術指針の考え方(仕口・ダイアフラム・完全溶込み溶接)。仕様・許容差は各基準・設計図書による。


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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確認資料:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」第7章。実際の施工は、工事で採用する仕様書の版・特記・承認済みの施工要領を確認してください。(2026年9月28日改訂)

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