■結論:『作る人』と『見る人』の資格は別

鉄骨の品質は、溶接技能者(作る)・溶接管理技術者(管理する)・検査技術者(見る)という役割で守られています。
実際に溶接する技能者とは別に、できた製品や溶接を確かめる検査技術者の資格があります。この記事では、その検査技術者の資格を見ていきます(溶接技能者の資格は別の記事でくわしく)。
■製品検査技術者(寸法・精度を見る)

製品検査技術者は、できた部材の寸法・精度(製品検査)を基準どおりに測って合否を判定する人です。社内検査の責任者として記録(成績書)をまとめ、受入検査に対応します。
資格の例として、建築鉄骨製品検査技術者(全国鉄骨評価機構などの資格)があり、鉄骨工場のグレードに応じて、正社員として置くことが求められます。
■超音波検査技術者(UTで中の傷を見る)

超音波検査技術者は、完全溶込み溶接の内部を超音波探傷検査(UT)で調べ、合否を判定する人です。探傷の計画・記録・再検査の判断を行います。
代表的な資格の道は2つあります。建築鉄骨の UT に特化した建築鉄骨超音波検査技術者と、非破壊試験の資格であるJIS Z 2305(NDT)の UT レベル(1・2・3級。判定は主にレベル2以上)です。
■溶接管理技術者(WES 8103)との関係

溶接管理技術者(WES 8103・1級/2級)は、溶接の計画・管理をする資格で、検査技術者とは役割が違います。
溶接管理技術者が計画・管理し、技能者が溶接し、検査技術者が製品検査・UTで確かめる——この分担があるから、作る側と見る側が分かれ、品質が確かめられます。一人が複数の資格を持つこともありますが、役割としては別に置きます。
■グレードと必要な有資格者

鉄骨工場の性能評価(グレード)では、管理技術者や検査技術者を正社員として置くことが条件になっています。
必要な資格・人数は、上位グレードほど多くなります。詳細は鉄骨製作工場の性能評価基準によります(グレードの全体像は別記事『鉄骨工場のグレードとは?』でも解説)。
- 溶接管理技術者(溶接の計画・管理)
- 製品検査技術者(寸法・精度の検査)
- 超音波検査技術者(UT の検査)
- 工作図・製作の管理技術者 など
■まとめ:検査技術者は『見る人』の資格

建築鉄骨の検査技術者は、作る人(技能者)とは別の、見る人の資格です。製品検査技術者が寸法・精度を、超音波検査技術者が UT で内部を見ます。グレードごとに、これらを正社員で置くことが求められます。『誰が検査したか』が資格で担保されるから、鉄骨の品質は信頼できます。
鉄骨の製作・検査についてのご相談やお見積もりは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
参考にした基準:鉄骨製作工場の性能評価基準/建築鉄骨の製品検査・超音波検査技術者の認定制度/JIS Z 2305(非破壊試験技術者)/WES 8103(溶接管理技術者)。認定・要件は各制度・基準による。
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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