■結論:記録は『品質の証拠』

検査をしても、記録が無ければ『やった証拠』が残りません。記録は、品質を証明し、中間検査・受入検査で示し、問題が起きたときに原因を追う——そのすべての土台になります。
『測って・判定して・記録する』までが検査です。この記事では、何をどう残すのかを見ていきます。
■何を残す?(主な記録)

鉄骨の製作では、次のような記録を残します。
- 溶接の外観検査 記録/UT(超音波)の探傷図と判定
- 製品検査(寸法)の成績書/材料のミルシート
- 高力ボルトの締付け記録・マーキング
- 溶接の施工記録(WPS・溶接士・条件)
- 手直しの記録(どこを・どう直したか)/部材符号との対応
■トレーサビリティ(材料→部材→溶接→検査をつなぐ)

記録は、バラバラに残すのではなく番号でつなぐことが大切です。材料のロット番号、部材の符号(マーク)、溶接士・条件、検査結果をひもづけます。
つないでおくと、あとから『この部材は、どの鋼で、誰が溶接し、どう検査したか』を追えます(トレーサビリティ)。だから、不具合が出ても同じロット・同じ条件のものを素早く特定できます。
■写真の残し方

写真も大切な記録です。あとで見えなくなる所は、必ず残します。
- いつ撮るか:仕口の溶接・UT・手直しなど、あとで隠れる所は必ず
- 何を写すか:部材符号や位置が分かるように(黒板・ラベルを一緒に)
- 識別:日付・部材番号・工程が分かる形で名前を付けて保存
- 手直しは『前』と『後』の両方を撮る
- 写真も記録の一部。記録とひもづけて残す
■保存と使い道

記録は、いくつもの場面で使われます。
保存のコツは、決めた期間なくさずに保存し(紙・電子)、部材符号・ロット番号でいつでも引き出せるよう整理し、書式をそろえることです。
- 中間検査・受入検査で示す(そろっていないと合格に進めない)
- 引き渡し時に、建物の品質の証明としてまとめて渡す
- 不具合が出たとき、原因を追い、同じロット・条件を特定する
■まとめ:測る・判定する・記録する

検査記録は、品質の証拠です。材料→部材→溶接→検査を番号でつなぎ(トレーサビリティ)、写真は識別できる形で、手直しは前後を残します。記録が残るから、あとから追える。追えるから、直せる。だから記録は品質そのものです。
鉄骨の製作・検査についてのご相談やお見積もりは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
参考にした基準:日本建築学会 JASS 6 鉄骨工事/鉄骨工事技術指針/鉄骨製作工場の性能評価基準の考え方(記録・トレーサビリティ)。記録の様式・保存期間は各基準・工事の契約による。
この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
会社案内(設備・有資格者) / 製作実績 / 図面を送って相談する
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