■結論:部材を吊って動かす仕事には「玉掛け」と「クレーン運転」の講習が要る

鉄骨工場では、鋼材や組み上がった部材をクレーンで吊って運びます。玉掛け・運転を担当する人は、それぞれの業務と設備に対応する免許・技能講習・特別教育の要件を満たす必要があります。
部材にワイヤやチェーンを掛けて外す作業を玉掛け、クレーンを操作して吊り荷を動かす作業をクレーン運転といいます。必要な資格は別々です。クレーンでは、実際に吊る荷物の重さではなく、機械のつり上げ荷重を基準に区分します。
重い部材の玉掛けやクレーン操作を誤ると、部材の落下や激突など重大な事故につながります。だからこそ、体力や器用さより先に、法律で決まった講習の修了が求められます。
👉 未経験で入社した人が、切断・孔あけの補助と並行して比較的早い時期に受けることが多いのが、この2つの講習です。
■玉掛けの資格:クレーンの「つり上げ荷重1トン」が境目

クレーンのつり上げ荷重が1トン以上の場合、その玉掛け業務には玉掛け技能講習修了など、法令が定める資格が必要です。技能講習では学科・実技と修了試験を受けます。なお、法令上「制限荷重」を基準にするのは揚貨装置です。
クレーンのつり上げ荷重が1トン未満の場合は、玉掛け業務に係る特別教育の対象です。荷物を軽くすれば技能講習が不要になる、という意味ではありません。
例えば、つり上げ荷重2.8トンのクレーンで100kgの部材を扱う場合も、玉掛けは技能講習等の資格が必要です。設備の銘板や明細でつり上げ荷重を確認します。
玉掛け技能講習では、ワイヤロープ・チェーンスリングの選び方、部材への掛け方、クレーン運転者との合図の送り方なども学びます。
■クレーン運転の講習:つり上げ荷重で「免許」「技能講習」「特別教育」に分かれる

ここでは移動式クレーンを除く、工場の通常のクレーンを説明します。つり上げ荷重5トン以上は原則としてクレーン・デリック運転士免許が必要です。免許の限定条件と機械の方式が適合していることも確認します。
つり上げ荷重0.5トン以上5トン未満のクレーンの運転は、原則としてクレーンの運転の業務に係る特別教育の対象です。これは床上操作式に限りません。例えば工場の2.8トン天井クレーンが該当します。
つり上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーンは、床上操作式クレーン運転技能講習の修了者も運転できます。ここでいう床上操作式は、床上で操作し、運転者が荷の移動とともに移動する方式です。「床上運転式」とは資格区分が異なり、ペンダントがあるだけでは判断できません。
免許、技能講習、特別教育は法律上の区分です。設備のつり上げ荷重・操作方式と修了証等の対象業務を照合して担当者を決めます。移動式クレーンやデリックには別の規定があるため、この区分をそのまま当てはめません。
■なぜ鉄骨工場で最初にこの2つを受けるのか

鉄骨製作は、鋼材の受け入れから切断・孔あけ・組立・溶接・検査・出荷まで、部材をクレーンで何度も吊って動かします。
玉掛けとクレーン運転ができないと、部材を定盤に乗せる、向きを変える、次の工程に送るといった基本の動きができません。溶接や組立の技能を覚える前提になる、安全の基礎です。
そのため多くの鉄骨工場では、未経験で入社した人にも比較的早い時期にこの2つの講習を受けてもらいます。
特に組立や溶接の前後は、部材の向きを変えたり定盤の上を移動させたりする場面が一日に何度もあります。玉掛けとクレーン運転が滞ると、その分だけ工程全体が止まってしまいます。
■講習の受け方

玉掛け技能講習や床上操作式クレーン運転技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関で実施されます。5トン未満の通常の工場クレーンを対象とするのは、一般名の「クレーン運転技能講習」ではなく、前述の特別教育です。
特別教育は、事業者が自ら行う、または外部に委託して行うことができます。労働安全衛生規則に定められた科目を修了すれば足ります。
講習の手配や費用の扱いは会社によって違います。募集要項や面接の際に確認しておくとよいでしょう。
技能講習・特別教育のどちらも、受講したことを証明する記録(修了証や受講記録)を、本人と会社の双方が保管しておきます。
■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工を募集中)
発信元の株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)には天井走行クレーン 2.8t × 5基があり、玉掛けの資格を持つ社員が6名、クレーン運転の資格を持つ社員が6名います(2026年9月時点)。天井走行クレーンはいずれもつり上げ荷重5トン未満です。
現場(建方支援など)に出るのは年に数回程度で、ほぼ工場内でクレーンを使った作業です。資格取得支援があり、受験料・講習費は会社が負担します。
溶接工・鍛冶工の募集要項・応募方法は採用情報にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。
■おわりに
必要な資格は、吊り荷の実重量だけでは判断できません。玉掛けと運転を分け、設備のつり上げ荷重・操作方式を確認することが出発点です。当社の設備・資格者数は、会社案内・採用情報の2026年9月時点の記載です。
鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。
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参考:厚生労働省「クレーン等安全規則」第21・22条、第221・222条/山口労働局「資格等が必要な業務」/株式会社へむろ鉄工 採用情報・会社案内(2026年9月)。資格区分を2026年9月28日に見直しました。
