試験当日の流れ。学科試験、実技試験、外観試験、曲げ試験、合格・資格交付

JIS 溶接技能者の試験当日|学科・実技・曲げ試験の流れ【鉄骨ファブが解説】


■結論:学科と実技を受験し、実技は外観・曲げなどの試験で判定する

試験当日の流れ。学科試験、実技試験、外観試験、曲げ試験、合格・資格交付
試験全体の流れを示す図です。学科・実技の日程や免除条件は受験案内を確認し、曲げ試験まで当日中に終わるとは限りません。

半自動溶接の技能資格(JIS Z 3841に対応)の評価には、学科試験と実技試験があります。同日に両方を行うとは限らず、条件によって学科免除の扱いもあります。受験する地区の試験案内で、種目・日程・免除条件を確認します。

実技で溶接した試験材は、外観試験や、切り出した試験片の曲げ試験など、規定された方法で評価されます。受験者が当日行う溶接と、その後の試験片加工・判定は別の段階です。必要な評価を終えた後に結果が通知されます。

👉 資格の記号(SA-3F など)や工場のグレードごとに要る資格の種類は、関連記事「溶接技能者の資格」にまとめています。ここでは試験当日、何が行われているかを順番に見ていきます。


■学科試験:溶接の基礎知識と安全衛生の基本を問われる

学科試験で問われること。溶接記号・溶接の基礎知識・安全衛生の基本。未経験者はこの時期に工作図の読み方・溶接記号を覚える
学科は実技の前提になる知識が中心。学科と実技は別日のこともある

学科試験は筆記で行われ、溶接に関する基礎知識と安全衛生の知識が問われます。溶接記号の意味、開先や姿勢の用語、労働安全衛生に関する基本的な決まりなど、実技の前提になる知識です。

未経験から資格を目指す方にとっては、実技の練習と並行して工作図の読み方や溶接記号を覚える時期にあたります。先輩と実物の部材を前に確認しながら覚えると、知識が体に残ります。

学科と実技は別の日に分けて実施されることもあります。日程・会場は受験する試験機関の案内に従います。

初めて受験する場合も、SA-2F(中板・下向)だけでなくSA-3F(厚板・下向)も基本級の選択肢です。担当する仕事と練習計画に合う種目を選び、規定された施工条件を守る練習を積みます。


■実技試験:資格の種類に応じた姿勢・板厚で試験材を溶接する

実技試験の試験材と条件。裏当て金の有無は資格記号で区別し、試験姿勢と板厚は担当する仕事の範囲に対応する
当社(Mグレード)で本溶接を担当するのはSA-3F・SA-3Hの有資格者

実技では、受験種目に対応する試験材を所定の姿勢で溶接します。SA-2F・SA-3Fは基本級、SA-3Hなどは専門級です。裏当ての有無は基本級・専門級ではなく記号で区別し、Aは裏当てあり、Nは裏当てなしを表します。

試験では規定時間内に指定条件で溶接します。会場の溶接機、使用可能な溶接材料、持参品は受験案内で確認してください。職場と同じ機種・ワイヤを使えるとは限りません。

当社で本溶接を担当するのは、Mグレードの認定書が定める範囲(下向・横向、板厚40mm以下)に対応するSA-3F・SA-3H の有資格者です。試験で問われる姿勢・板厚は、実際に任される仕事の範囲に直結しています。

👉 練習で身につけるのは腕前だけではありません。開先の確認・仮付け・本溶接という普段の手順を、試験の持ち時間の中で崩さずに再現できるかも問われます。


■判定は2段階:外観試験 → 曲げ試験

判定の2段階。外観試験でビード・余盛・アンダーカットを確認、曲げ試験で試験片を規定角度まで曲げて割れの有無を見る
外観試験と曲げ試験の両方に合格して、実技試験は合格

溶接が終わった試験材は、まず外観試験にかけられます。ビードの形、余盛の高さ、アンダーカットなど、目で見て分かる欠陥がないかを確認する段階です。ここで規定を外れると、次の曲げ試験には進めません。

外観試験を通った試験材から試験片を切り出し、曲げ試験を行います。規定の角度まで曲げて、溶接部に割れが生じないかを見ることで、目に見えない内部の健全性(溶込み・融合の良し悪し)を確かめます。

外観試験と曲げ試験は、指定された判定基準で評価されます。曲げ試験で生じた不連続部は、寸法・位置・性状などを基準と照合します。「小さな割れが一つでも出れば必ず不合格」と単純化しないことが大切です。

「見た目」と「中身」を分けて確かめるこの考え方は、実際の工事で外観検査とUT(超音波探傷検査)を分けて行うのと同じです。試験の段階から、工場で日々行っている検査と同じ発想で確認します。


■合格発表と資格証:適格性証明書が交付され、期限がある

合格発表と資格証の流れ。試験結果は後日通知、両方合格で適格性証明書が交付、有効期限があり更新の手続きが要る、当社は更新時期を会社で管理
資格には有効期限があり、更新(継続)の手続きが要る

初回受験など学科試験が必要な場合は、学科と実技の両方に合格すると、適格性証明書が交付されます。学科免除の要件を満たす場合は、実技試験の合格後に認証手続きを行います。合否は後日、試験を行った機関から通知されます。

適格性証明書の有効期間は1年です。有効期間満了前3か月以内にサーベイランスを申請し、適格性の維持が確認されると、引き続き1年間有効の証明書が交付されます。サーベイランスは2回までで、資格登録から3年後も継続する場合は再評価を受けます。当社では期限を会社で管理し、受験料・講習費も会社が負担しています。

資格の記号の意味や、工場のグレードごとに要る資格の組合せは、関連記事「溶接技能者の資格」で詳しく解説しています。

資格を取って終わりではなく、工場側は誰がどの資格を持っているかを技能者名簿にまとめ、工事ごとに板厚・姿勢に合う人を配置します。資格は個人のものであると同時に、工場の体制を支えるものでもあります。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工を募集中)

発信元の(茨城県小美玉市)は、国土交通大臣認定Mグレードの鉄骨製作工場で、溶接工・鍛冶工を正社員で募集しています。雇用形態は正社員、就業時間は 8:00〜17:00(日勤)、月給 176,000円〜330,000円(経験・資格による)、試用期間なし、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)、年間休日100日、マイカー通勤可・無料駐車場ありです。

仕事内容・募集要項・応募方法は 採用情報(溶接工・鍛冶工の求人) にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

この記事は試験全体の流れと技能資格の区分を説明したものです。受験当日の順序・持参品・学科免除・結果通知は、試験実施機関の最新案内を確認してください。資格支援や就業条件は当社採用情報によります。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準)/一般社団法人 日本溶接協会(溶接技能者資格の試験案内)/鉄骨製作工場の性能評価基準(グレードごとの溶接技能者の資格)/株式会社へむろ鉄工 採用情報(2026年9月改訂版)


試験種目と受験条件:日本溶接協会「半自動溶接」/日本溶接協会「溶接技能者」評価制度。(2026年9月28日改訂)