フランジ突合せ溶接の始端・終端にエンドタブを取り付けた図

エンドタブとは?|鉄骨用語【鉄骨ファブが解説】


■結論(一言で)

フランジ突合せ溶接の始端・終端にエンドタブを取り付けた図
エンドタブ=溶接の始まりと終わりを、母材の外に出す添え板

エンドタブとは、突合せ溶接の始まりと終わりの位置を、母材(板)の外に出すために取り付ける添え板のことです。溶接のアークは始まりと終わりで形が乱れやすく、内部の欠陥も出やすくなります。

  • エンドタブ:母材の両端(溶接の始端・終端)に取り付ける添え板
  • 役割:欠陥が出やすい始終端を、製品として使う母材の外側に押し出す
  • 種類:母材と同じ材質・板厚の鋼製タブと、セラミック・フラックス製の固形タブの2種類

エンドタブが無いまま溶接を始めたり終えたりすると、母材の端で溶込み不良やクレータ(へこみ・割れ)が残ることがあります。

👉 エンドタブは、裏当て金と同じく、完全溶込み溶接を安定して作るための前提になる部材です。


■意味と決まり

鋼製タブと固形タブの特徴を比較した図
鋼製タブは母材と同じ仕様、固形タブは切断せず外すだけ

鋼製タブは、母材と同じ材質・板厚・開先で作り、長さは始終端の欠陥が納まる分を確保します。固形タブは焼き固めた耐火物(セラミック・フラックス)製で、切断せず溶接後に外すだけです。

  • 鋼製タブ:日本建築学会『鉄骨工事技術指針・工場製作編』の要件(材質・板厚は母材と同等、長さは欠陥が収まる分)
  • 固形タブ:日本エンドタブ協会 JES-001-04:2014『建築鉄骨溶接施工用固形エンドタブ材』に規定
  • 鋼製タブを切るか切らないかは、図面・仕様書の特記で決まる(工場の判断では決めない)

👉 鋼製タブの板厚・長さの目安、切断の要否の条件は、本記事エンドタブとは?鋼製タブと固形タブ、切除の要否にまとめています。


■鉄骨工場での扱い

鉄骨工場では、エンドタブは組立工程で母材の両端に仮付けし、本溶接のあとは切断・検査まで含めて管理します。

  • 組立時:裏当て金をタブの端まで通し、材質・板厚・開先が母材と揃っているかを確認する
  • 鋼製タブを切断する場合:切り口のノッチ(切り欠き)を残さず、グラインダーで平滑に仕上げる
  • 固形タブを使う場合:技量付加試験に合格した溶接工が扱い、乾燥保管・すき間の管理を行う

👉 どちらの種類でも、始終端は外観検査・UT(超音波探傷検査)の対象になります。開先・裏当て金・エンドタブの段取りが整っていることが、完全溶込み溶接の前提です。


■関連する本記事


■参考にした基準・資料

この記事は、本記事「エンドタブとは?鋼製タブと固形タブ、切除の要否」(日本建築学会『鉄骨工事技術指針・工場製作編 2018』、日本エンドタブ協会 JES-001-04:2014 にもとづく)と同じ内容を短くまとめたものです。個別の物件は設計図書と監理者の指示が優先します。


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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