■結論(一言で)

ダイアフラムとは、柱と梁の接合部(仕口)に入れる板で、梁フランジが受けた力を柱に伝えるためのものです。
- ダイアフラム:柱と梁をつなぐ仕口に設ける板(仕切り板)
- 役割:梁フランジの力を柱へ伝える(フランジ→ダイアフラム→柱の順)
- 付く場所:主に角形鋼管柱などの柱梁接合部(梁を柱に剛接合する形式で用いられる)
梁フランジの力を柱の外側の板(スキンプレート)だけで受けると、接合部が局部的に変形し、力を適切に伝えられないおそれがあります。
👉 ダイアフラムは、柱の中に力の通り道を作る部材です。仕口が壊れると建物が持たないため、重要な部材として扱われます。
■意味と決まり

ダイアフラムには、柱への入れ方で3つの形式があります。
- 通しダイアフラム:柱を輪切りにして挟む。最も一般的な形式
- 内ダイアフラム:柱の中に板を入れる。柱の外観がすっきりする
- 外ダイアフラム:柱の外に板を張り出す。柱を切らずに取り付けられる
通しダイアフラムと梁フランジの溶接部は、建設省告示第1464号第二号イ(2)により、原則として梁フランジを通しダイアフラム鋼板の厚みの内部で溶接します(必要耐力を満たす適切な補強を行う場合は例外があります)。建築研究資料 No.143 は、通しダイアフラムの板厚を取り付く梁フランジの最大厚より「2サイズアップ」とすることが望ましい例を示しています。実際の板厚は設計図書で指定されるため、一律に2サイズアップと決めるものではありません。
👉 同資料は、内ダイアフラムの板厚を取り付く梁フランジの最大厚より「1サイズアップ」とすることが望ましい例を示しています。通しダイアフラムより単に制約がゆるいという意味ではなく、接合形式に応じて板厚・材質・スカラップなどを検討し、設計図書の指定に従います。
■鉄骨工場での扱い
通しダイアフラム形式の柱は、工場で次の手順で作ります。
- 柱(角形鋼管)を、梁がつく高さで輪切りにする
- 切断面にダイアフラムを挟んで仮付け(組立溶接)する
- 全周を完全溶込み溶接でつなぐ(ロボットによる四面同時溶接も使われる)
- 溶接後は設計図書・検査要領に従い、必要な溶接部をUT(超音波探傷検査)で確認し、あわせて寸法も検査する
👉 板厚・材質・形式(通し・内・外)は、いずれも設計図書で指定された内容どおりに製作します。個別の物件は設計図書と監理者の指示が優先します。
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■参考にした基準・資料
この記事は、国土交通省「鉄骨造の継手又は仕口の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1464号)」と、建築研究所「建築研究資料 No.143 鉄骨造建築物の接合部ディテール例示資料集」を確認してまとめています。個別の物件は設計図書と監理者の指示が優先します。
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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