開先の裏に裏当て金を当て、溶接金属を受け止める断面図

裏当て金とは?|鉄骨用語【鉄骨ファブが解説】


■結論(一言で)

開先の裏に裏当て金を当て、溶接金属を受け止める断面図
裏当て金=開先の裏に当てて、溶けた金属を受け止める帯

裏当て金(うらあてがね)とは、突合せ溶接で開先の裏に当てる鋼の帯のことです。片側から溶接しても、溶けた金属を裏で受け止めるので落ちません。

  • 裏当て金:開先の裏(反対側)に当てる鋼の帯
  • 役割:片側からの溶接で根元まで一体に溶かす(完全溶込み)ための受け
  • 位置・すき間・仮付けの仕方は図面や溶接施工要領書(WPS)で決まる

裏当てが無いまま片側から溶接すると、根元が溶け落ちたり、溶込み不足になりやすくなります。

👉 裏当て金があることで、柱梁の仕口や柱継手など、地震で力がかかる接合部でも片側からの溶接で完全溶込みにできます。


■意味と決まり

組立溶接(仮付け)の良い位置と悪い位置を比較した図
仮付けは開先の中に。母材の外面・縁には付けない

裏当て金は、母材にすき間なく密着させます。すき間が大きいと、そこから溶け落ちたり、融合不良などの欠陥が出やすくなります。

  • 裏当て金は、本溶接の前に組立溶接(仮付け)で仮固定する
  • ○ 開先の中に付ける:本溶接で溶けてなくなり、跡が残らない
  • × 母材の外面・フランジの縁に付ける:傷(切り欠き)が残り、割れの起点になりうる

👉 裏当て金の付け方・すき間の管理・梁端での注意点は、本記事裏当て金の付け方|すき間・組立溶接の禁止位置にまとめています。


■鉄骨工場での扱い

鉄骨工場では、裏当て金は組立工程で仮付け溶接によって固定し、本溶接の前に検査します。

  • 組立時に、裏当て金と母材のすき間・密着を確認する
  • 仮付けの位置が開先の中に収まっているかを確認する
  • 開先・ルート間隔とあわせて、本溶接前の最終チェックで見る項目の一つ

👉 裏当て金は、開先・ルート間隔とセットで管理する部材です。段取り(開先・ルート間隔・裏当て)が整っていることが、完全溶込み溶接の前提になります。


■関連する本記事


■参考にした基準・資料

この記事は、本記事「裏当て金の付け方」(日本建築学会 建築工事標準仕様書 JASS 6 鉄骨工事の考え方にもとづく)と同じ内容を短くまとめたものです。個別の物件は設計図書と監理者の指示が優先します。


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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