■結論(一言で)
仕口(しぐち)とは、柱と梁のように、方向の異なる部材が取り合う接合部分のことです。鉄骨の図面や工場では、とくに柱と梁の接合部を指して使われます。
「仕口」は接合する場所・納まりの呼び方であり、特定の板や溶接方法の名前ではありません。柱、梁、接合用の板、溶接部、ボルトなどを、図面に示された組合せで確認することが大切です。
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■意味と決まり
継手とはどう違う?
用語を整理する基本は、部材がつながる方向です。柱と柱、梁と梁を材軸方向に継ぎ足す部分は「継手」、柱と梁などが異なる方向で取り合う部分は「仕口」と呼び分けます。仕口は直角の接合だけに限りません。梁が斜めに取り付くなど、個別の納まりもあります。
ただし、溶接分野の「突合せ継手」「T継手」などは溶接部の形状を表す分類です。建物の部材同士の取り合いと、溶接継手の種類は、分けて読む必要があります。
仕口なら、すべて同じつなぎ方?
同じではありません。 柱・梁の断面、梁の高さ、取り付く向き、伝える力などにより、接合部の形は変わります。高力ボルト接合や溶接接合など、設計図書に示された方法で力を伝えます。接合方法と構造上の役割は、図面の指定を確認します。
角形鋼管柱と梁の接合部では、梁フランジの力を柱へ伝えるためにダイアフラムを用いる形式があります。一方で、柱がH形断面の場合や、梁のせい・高さがそろわない場合などは、別の詳細や検討が必要です。別物件の仕口図を、そのまま流用できるとは限りません。
■鉄骨工場での扱い
工作図では、まず柱と梁の符号を追い、どの部材がどの高さ・向きに取り付くかを確認します。次に、接合詳細図と照らして次の項目を見ます。
- 部材の材質・断面・板厚、梁の取り付く位置
- ダイアフラムなど接合用部材の形状と納まり
- 溶接記号、開先、ボルトの種類・配置などの指定
- 製作・組立が可能な手順と、寸法・溶接部などの検査事項
納まりが図面間で食い違うときは、工場で勝手に板厚や接合方法を変えず、質疑で確認します。 製作・検査の具体的な条件は、その物件の設計図書・承認された工作図・施工要領に従います。
仕口を覚える入口は「柱と梁の取り合い」。そこから、何をどこへ接合し、どう力を伝える指定なのかを読むと、工作図の理解につながります。
■関連する本記事
■参考にした基準・資料
- 国土交通省:鉄骨造の継手又は仕口の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1464号) — 接合方法の区分と、柱・梁の仕口に関する規定。
- 建築研究所:建築研究資料No.143(2013年3月) — 柱梁接合部の形状・部材の組合せと、設計・製作上の留意点。
- 日本サッシ協会:用語集「仕口」 — 仕口と継手の一般的な用語の区別。
- 日本溶接協会:溶接基本技術(溶接技術教育シート) — 開先形状・突合せ継手とT継手の分類。
2026年10月22日確認。この記事は用語の一般的な解説です。個別の接合部の設計判断は、適用される法令・基準と設計図書に基づいて行います。
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