工作図を読む順番。符号を見る、全体の形をつかむ、寸法を確認、溶接記号を確認

工作図の読み方入門|符号・寸法・溶接記号を新人はどこから覚えるか【鉄骨ファブが解説】


■結論:工作図は「符号 → 全体の形 → 寸法 → 溶接記号」の順に読む

工作図を読む順番。符号を見る、全体の形をつかむ、寸法を確認、溶接記号を確認
順番を飛ばすと、どの部材のどこの情報か分からなくなる

鉄骨製作工場で使う工作図(製作図)は、情報の量が多く、新人は最初どこから見ればいいか迷います。読む順番を決めておくと迷いません。

まず符号で「どの部材か」を確認します。次に全体の形(配置図)で部材どうしの位置関係をつかみ、寸法で基準線からの距離を確認し、最後に溶接記号で溶接の種類と範囲を読みます。

👉 順番を飛ばして寸法だけ見ると、どの部材の、どこの寸法か分からなくなります。符号から入るのが一番の近道です。


■工作図(製作図)とは何か|意匠図・構造図から工場が起こす図面

意匠図・構造図から工作図を作成し必要な承諾を経て加工へ進む流れ。公共建築工事標準仕様書の承諾主体は原則として監督職員
工作図には部材符号・詳細寸法・溶接記号・ボルト孔まで描き込む

設計事務所が作る意匠図・構造図には、建物の形と構造部材の大きさ・位置が描かれています。ただし、これだけでは工場は加工に入れません。

工場は意匠図・構造図をもとに、工作図(製作図)を自社で作成します。工作図には、意匠図・構造図にはない部材符号・詳細寸法・溶接記号・ボルト孔の位置まで描き込みます。

公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の1.2.3では、工作図を含む施工図等を施工に先立って作成し、原則として監督職員の承諾を受ける手順が定められています。実際の提出先・手順は、その工事の契約と設計図書で確認します。承認までの流れは関連記事「図面承認の流れと遅れる原因」にまとめています。


■符号の読み方|柱・梁・ブレースを表す記号と通り芯

符号の例。柱C、大梁G、小梁B、ブレースBR、通り芯X・Yの表
符号の付け方は会社や物件によって違う。工作図の符号表(凡例)を必ず確認する

工作図には、部材ごとに符号が付きます。よく使われる例は、柱がC(Column)、大梁がG(Girder)、小梁がB(Beam)、ブレースがBRです。

  • C1・C2…:柱。番号は配置図の位置ごとに割る
  • G1・B1…:梁。柱と柱の間の大梁、大梁の間の小梁で記号を分ける場合が多い
  • X1・X2/Y1・Y2…:通り芯(基準線)。柱や梁の位置を表す格子状の基準

👉 符号の付け方は会社や物件によって違います。工作図の最初のページにある符号表(凡例)を必ず確認してください。


■寸法と基準線の読み方|どこを基準に測るか、許容差とは

通り芯・部材芯・部材端と寸法線の起点終点、高さと接合部詳細、許容差の確認
通り芯・部材芯・部材端など、寸法線の起点と終点を確認する。高さは柱脚・継手・仕口の詳細も照合する

工作図の寸法は、通り芯(基準線)・部材芯・部材端など、図面で指定された位置を基準に読みます。まず寸法線の起点と終点を確認するのが読み方の基本です。

レベル(高さ)はFL(フロアレベル)など、図面で指定された基準から読み取ります。1FL・2FL…は各階の床レベルを示します。柱の製作長や梁の取付け高さは、床レベルの差だけでなく、柱脚・継手・仕口などの詳細寸法も確認します。

加工には必ず誤差が出ます。どこまでの誤差なら許されるかを許容差として定めたのが JASS 6 などの仕様書です。具体的な許容値は関連記事「食い違い(目違い)の許容値」をご覧ください。


■溶接記号の読み方|△と矢印が表すもの

溶接記号を書き込む基線、溶接箇所を指す矢、基本記号と矢の側・反対側の読み方
△は隅肉溶接を表す代表的な記号。基線に記号や寸法を記し、矢で溶接する箇所を示す

溶接記号はJIS Z 3021で決められた表記です。基本の形は、溶接記号や寸法を書き込む水平な線(基線)と、溶接する箇所を指す矢印(矢)、そして溶接の種類を表す基本記号です。

△(三角)は隅肉溶接を表す代表的な記号です。基線の下に記号があれば矢印側(近い側)の溶接、上にあれば反対側(遠い側)の溶接を意味します。

記号ひとつひとつの形と意味は、関連記事「溶接記号の読み方」で図解しています。工作図を読むときは、この記事と合わせて確認すると分かりやすくなります。


■新人はどの順で、どう覚えるか|図面と実物を合わせて見る

新人が工作図を覚える4つの順番。符号を覚える、全体の配置をつかむ、寸法を自分で測る、溶接記号を実物で見る
先輩と二人一組で、実物の部材と図面を並べて覚えるのが一般的

工作図は紙の上だけで覚えようとすると時間がかかります。実際の部材と図面を並べて見るのが早い覚え方です。

  • ①符号を覚える:配置図の符号と、現物に書かれた符号を指で追って一致させる
  • ②全体の配置をつかむ:どの部材がどこに付くか、配置図で位置関係を確認する
  • ③寸法を自分で測る:基準線から実際にメジャーを当てて、図面の数字と見比べる
  • ④溶接記号を実物で見る:図面の記号と、仮付け・本溶接された部材を見比べる

鉄骨製作工場の新人教育は、先輩と二人一組で進めるのが一般的です。分からない符号や記号は、その場で実物を指しながら確認すると定着します。


■へむろ鉄工の場合(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターを募集中)

株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)は、工作図を描く仕事も、工作図を読んで加工する仕事も、どちらも社内で行っています。工作図を描くCADオペレーター(鉄骨原寸 REAL4)を正社員で募集中です。就業時間8:00〜17:00、土日休み、年間休日118日、月給188,000円〜330,000円(経験・資格による)、賞与なし、試用期間なし、資格取得の費用は全額会社負担、お子さんの急な発熱や学校行事での休みも可、男女問わず(女性社員3名在籍)、勤務地は本社工場に併設の事務所です。

工作図を読んで加工する溶接工・鍛冶工も正社員で募集中です。就業時間8:00〜17:00(日勤・時間外月平均10時間)、月給201,000円〜330,000円(経験・資格による)、賞与なし、試用期間なし、年間休日100日、マイカー通勤可・無料駐車場、資格取得支援あり(受験料・講習費は会社負担)です。

仕事内容・募集要項・応募方法は 採用情報(溶接工・鍛冶工・CADオペレーターの求人) にまとめています。「工場を見てみたい」だけのご連絡も歓迎です。


■おわりに

工作図の読み方の基本(符号・基準線・寸法・溶接記号の意味)は JIS や仕様書に基づく一般論で、就業条件は当社の募集要項の値です。実際の符号の付け方・許容差は、物件ごとの工作図・設計図書が優先します。

鉄骨製作のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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参考にした基準・資料:JIS Z 3021(溶接記号)/日本溶接協会「接合・溶接技術Q&A」Q01-02-09(基線・矢・基本記号)/公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 1.1.2・1.2.3(工作図を含む施工図等の承諾)/REAL4公式FAQ(Ver3.01・2022年2月、Ver3.21.20・2023年8月:寸法基準・高さ)/JASS 6(精度・許容差の考え方)/株式会社へむろ鉄工 採用情報・会社案内 2026年9月改訂版(就業条件)


この記事を書いた会社
株式会社へむろ鉄工(茨城県小美玉市)。国土交通大臣認定 Mグレードの建築鉄骨製作工場です。工作図・現寸(REAL4)から製作・検査・出荷まで社内で行い、製作のみ・建方込み・協力工場としての製作分担のいずれの形でも、茨城県内と関東圏を中心に受けています。
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